組子

 玄関上に天井裏へ登る開口部があるが、そこの口に障子戸を入れなければならないのだが、建具屋に頼もうか、要らなくなった障子戸を切り詰めて間に合わせようか迷っている。 切り詰めた場合横幅が足りなくなってしまうので、そこに板でも入れて塞がねばならない。
 余っている障子戸は昔のものだから、桟が交互にはまるように組んである。


 先日建具屋に格子戸を頼んだ時、横桟は上と下の二本だけでよいよ、と言ってから、まてよ二本だと組子が交互にならないのでまずいのか?と聞くと、建具屋は、いまどき組子を交互にしてくれと言う人はいませんよ、との答えだった。
 訊いてみると、桟の切り込みを交互にして組んだ組子の場合と、同方向に桟の切り込みを並べた場合とでは仕事に掛かる時間が倍違うそうである。 交互に組んだ場合は組み終われば丈夫なのだが、時間が掛かり、最近はそんなことをしていては価格の競争にならないそうだ。
 交互に組んでくれと言われればいくらでもそうしますが、少しお高くなりますよ、と言って笑う。
  障子の桟は交互に組むものだ、というのは建具屋の組子仕事の常識だったが、それはもう昔の常識になってしまったのか・・・なんだかなぁ・・・である。

 そう言えば、隣の家に小さな倉庫を作りに来ていた40才ほどの大工さんが、大工も手間賃が安くなって散々で、子供に大工を継がせる気になれない、と言っていた。
 何年か前に日本でもツーバイフォーの家を建てる事が出来るように建築基準法が改正された。 その後欧米の住宅が輸入するのがブームになり、日本のあちこちで建てられた時期があった。 輸入住宅の建設はその後思ったほどの普及はしなかった。
 だが、その改正で日本のプレハブメーカーが一時期遅れて簡単住宅建設方を採用するようになった。 最近良くある坪単価30万をかるく切る簡単住宅である。 住宅建築単価が安くなることは良いことだろうが、それは二、三十年前後で建て替え時期が来てしまう家である。
 それに対抗して家を建てていくには、自分達の手間賃を下げてでも仕事をしなくては、仕事がない。
 簡単住宅の仕事を請ければ、大工というのは名ばかりで技術などいらない素人でも出来る組み立て屋仕事なのである。 技術はあっても、その技術はいらない。
 伝統技術が失われていくのは、簡単なことなのだ、仕事が来なくなるからで、ただそれだけが理由なのである。

 今、オフがやっているような百年経ったような古民家の再生は、今、ちゃんとしたことをやって置けば、その家はこの先まだ百年はゆうに大丈夫なのである。
 
 
 今日の仕事


 壁塗り。
 リビングの大壁に下プラを塗る。 これで先に買った下プラ14袋を全部使ったことになる。 ちなみにこれまで内壁だけでBドライ20キロが9袋、こて押さえという商品名の漆喰20キロが9袋、それぞれ全部封を切ったことになる。 あと漆喰が1〜2袋ほど、下プラが3袋ほど追加することになるだろう。
 午後からは珪藻土ダイニングとリビングに塗る。 これも買い置きの3袋を今日で全部使ったことになる。 これは後5〜6袋ほどは必要だろう。
 その後外部の壁、昨年に塗った壁のはみ出したバリ取りをする。 これは昨年末に塗ったものだが、塗った後天気が悪くなりそのままにしてあった。 一時変なオジサンにバリ取りをしてもらったことがあるが、柱やヌキの縁を削り込むようにしてバリ取りがしてあるよ(涙)  柱やヌキの縁などの漆喰がえぐれてしまっているわけだが、内壁塗りの終了後手直しせねばならないだろう。 その後、水拭きして今日の仕事を終わる。