雪囲い

 夜の8時半過ぎに田舎から帰ってきた。 片道四時間のドライブだが、途中で眠くなりサービスエリアで眠った。 およそ30分ほどの短い時間だったが完全に眠っていたせいか、珈琲を買いに車から降りた時はフラフラしていた。

 昨日はお昼過ぎに田舎へ帰り着き、さっそく自宅のベランダの板をまくりそれを利用して家の雪囲いをした。
 雨が降っている中の仕事だったので途中で中止し、タイヤを冬用のタイヤに履き替えて病院へ母親の見舞いに行く。 病院へ入ると急に元気になるおかしな人である、もう退院しても良いと言われたらしいが、寒いのでもうしばらく頼んでおいてもらっているそうだが、まあなんと言うか、まさに田舎の病院である。 その後みぞれ混じりの雨が降るなか山の家へ向かう。 ずっと火の気のなかった山の家は寒い。 薪ストーブで薪をどんどん燃やしても、火の当たっている側だけが暖かく背中は寒い。 

 翌日、辺りが普通の静けさではないので、これはと思って障子を開けてみると真っ白である。  夜のうちに20センチあまり積もったであろうか。
 雪を愛でていいる余裕はないので、コンビニのオニギリとコロッケ、スープの食事を終えて、すぐさま雪囲いを始める。
 大屋根は雪止めを掛けてあるが、下屋は掛けてないのでその雪が落ちて玄関の縁に転がり込んで雪で玄関を塞いでしまうのを防ぐためである。
 下屋の丸桁を受けている柱にもたせたヌキとヌキの間に塩ビの波板を挟んで縛っていくのである。 お昼前にその仕事は終わり、そろそろと運転して自宅へ戻り、昨日の遣り残しの雪囲いを済ませ、もう一度病院へ母親を見舞って高速に乗って帰ってきた。 今年は庭の木々の選定や縄で縛る雪囲いは中止にした。 まあ、雪にやられる枝や木々も出てくるだろうがこれは致し方ない。
 高速道も雪はちらついていたが、道路上に雪がたまっていなくて、緊張して走ることもなく帰ってこれた。
 忙しい二日間だったが、これで一安心である。 予報によれば、明日の夜あたりから日本海側では平地でも大雪になるという。 もう一日遅ければもっと大変なことになっていただろう。


 病院に母親を見舞ったときに、息子の長男から送ってきたという子供の、オフにとっては孫の、写真を一枚もらってきた。
 生まれてから二ヶ月のときに写したものだという。 その今にも笑うのか、泣くのかといったあいまいな表情には、どこか息子の小さい頃の面影が移っている。 その孫とはまだ一度もご対面はしていないのだが、少し先になるだろうがこの仕事を全部終えて、それからゆっくり会いに行って来ようと思っている。