なんなん?

 昨日、夕方仕事を終えて弟のヤスと玄関前で話していると、なんだかよく見たような車が下の駐車場に入っていくのが見えた。 
 嫁さんが乗っている車とよく似ていたのだが、長距離の運転やここへ来る道順が不案内で不安だと言っていたので、まさかなぁと思っていた。 それに明日月曜日にオフが神戸に行く予定は電話で知らせてある。
 ところが弟と部屋に入ってネットで古民家情報をチェックしていると、嫁さんが家の前に現れた。 その後に彼女のお兄さんの嫁さんもいる。
 兄嫁はたしか抗癌剤の投与で病院へ入院しているはずだと思っていたが・・・だが、それはオフの思い違いで先日一旦退院して明日からまた入院して第二クールの投与が始まるらしい。
 天気も良いし、紅葉も見たかったし、古民家の仕事も一度見たかったという。
 壁塗り最中の外壁や部屋の中を見て廻ってから珈琲を飲んで、暗くならないうちにと言ってすぐ帰って行った。
 神戸の方面の言い方で言えばまさに<なんなん・・・???>だった。 


 今日の仕事

 朝のうち空は曇っていて日は差さず薄ら寒い。 外での仕事を後回しにして茶の間の梁や柱の小さな釘などを抜いていく。 抜くといって材が地松で硬い材だからほとんどがバールでこじろうとすると釘の頭が取れてしまう。 仕方ないから短いものはそのまま打ち込むか、あるいは左右に振って折ってしまうかである。 その後南側正面の下屋の垂木の間に面倒板を入れてビスで留めていく。 すこし高い位置なので梯子を掛けての仕事だが、ちょうどの長さの短い梯子などないので梯子を45度ぐらいの緩い角度で掛けて仕事をしていた。 ところがある箇所のビス止めをしている時、ズズズ〜と梯子がずれた。 さいわいあわやのところで梯子は止まったが、降りたときは下半身から力が抜けて立っていられないほどの状態だった。  
 多分顔も青ざめていただろう。 まあ、せいぜい1メートル弱位の高さだったし、見ると石で止まっていてそれ以上は梯子は下がらない状態で、じつはその石があることは登る前に確認していたのだが、それにしても冷や汗ものだった。


 ヤスが来て昨日自分でやった砂漆喰の中塗りの上に漆喰を練って上塗りをしてくれた。 彼は兄弟ながらオフと違って仕事が丁寧だ。 あまり綺麗に仕上げると、その横のオフの仕事がザツさが目立つのでいい加減にしておけと言うが、オフの倍ほどの時間を掛けてじっくりと籠手でならしている。 オフは自分でも良く知っているが決して器用なほうではない。 また大変アバウトで仕事はかなり雑である。 一つだけ良いところがあるとするなら、それは仕事が早いということだろう。 飲み込みや段取りは早いほうだし決断も早い、だがときどき信じられないポカやらかす。 これは性格だろうと思う、ヤスのようにじっくりと時間を掛けて物事に取り組もうとすると、ぎゃくに苛々してきて続かない。
 

 外壁はヤスに任せ、茶の間の窓側の天井を張る段取りにはいる。
 ここは奥の寝室同様天井を高く取れないので、下屋の傾斜をそのまま生かした片流れの化粧した野地板や垂木を見せる天井にするつもりである。