囲炉裏

 昨夜は夜中に小便に起きた時には満月に近い月が雲間から姿を表していたが、その後しばらくして雨がまた降り出し、とうとうその雨は今日一日降り続いた。
 お天気なら久しぶりに来た嫁さんに腰板を塗装をしてもらおうか思い用意していたが、雨で中止。 彼女には部屋の掃除をしてもらったり、シュウマイを造ってもらったりした。 こちらへ来て一度も好きなシュウマイを食べなかったが、今日ホームセンターで蒸篭を買ってきて二段になった竹製の蒸篭でシュウマイを蒸して二人で食べた。
 

 
 今日の仕事

 続けて座敷の床板を張る仕事をする。 これがなかなか進まない。 本来なら床板は畳の下に来るのだから厳密なことをしなくても良いようなものであるが、この家でも床板は合わせ目を相ジャクリしてあった。 オフの教科書にもそのようにするように書いたあったが、今回はたんに板と板を付き合わせるだけで済ますことにした。 手抜きといえば手抜きだが、簡単に済ます場合は付きつけもありと書いてあったのでそうさせてもらった。
 その割に手間を食っている。 本来ならつき合わせて隙間が出る場合などは、それが真ん中あたりだと両端にカンナを掛けたり、両端なら真ん中にカンナ掛けするのだろうが・・・なんだか畳の下となるとそこまでしなくてもなぁという気分になってくる。
 縁の下の真ん中にあった炉の跡は、上部だけを金槌で叩いて崩しておいた。 こうしておけばせめて上部だけでも風が通るし、また炉を復活したいと思っても後の仕事が簡単だろう。 炉は下部は石を立ててそれに粘泥を被せ、上部はたぶん木枠を組んだ中に粘泥を入れて後で木枠を外して作ったものだろうと思われる。 今は耐熱レンガという便利なものがあるので、それを耐熱モルタルで固めていけばすむ。
 
 一番端の床の間の下に最後の床板を差込み、一枚飛んだ手前の三枚目の床板との間隔をはかり、その寸法に二枚目の床板を切って両端に差し込んで最後はその三枚をビス止めして仕事は終了。


 古民家といえば部屋の真ん中に囲炉裏ある・・・というイメージを持っている人が多いだろうが、実際にそこで生活する場合囲炉裏というのはイメージされているのより不都合なものである。 まず、室内で火を燃やすのだから煙が抜けていかないととても煙たくておれたものではない。 囲炉裏のある部屋はたいてい天井などしないし、してあっても煙が抜けるようにムシロなどの天井の場合が多いので常時火を焚いていないと寒い。
 囲炉裏にあたっていても熱は上部に逃げるので、火に面しているところは熱いくらいでも背中はうすら寒い。  その点同じ薪を焚いてもマキストーブなどは煙は煙突から逃げるので締め切ることが出来て部屋はよほど暖かくなる。
 最近では囲炉裏を設置した古民家などで暮らす人がいるが、囲炉裏を使っていても炭を燃やしている場合が多い。 炭の場合煙は出ないが、薪に比べると火力が弱いし一酸化中毒の恐れもある。 炭は雰囲気を出すために燃やしていて、横にストーブがあるという場合も往々にある。
 囲炉裏のある部屋でのお勧めは夏の昼寝である。 天井が高い上に抜けているので、そこでの夏の暑い日の午後の昼寝は本当に気持ちがいい。